失敗

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社会人になったときに、失敗は許す、ただし一度だけ。二度目の失敗はただの無駄。って自分で決めて、そのことが今の自分を苦しめているのかもしれない。‬

 

 

ところで双極性障害って診断された件、続き書きたいのになかなか時間が取れませんえん。そのうちちゃんと書きますんでよろしくお願いします。

 

双極性障害と診断されたけど、誤診だった模様。(1)

はじめに

2016年の5月〜7月頃に、心療内科双極性障害(Ⅱ)と診断されたんですが、

誤診だったと思われる話を書きます。

 

患者本人が「誤診だった!」なんていうと、それこそ病人特有の判断力不足っぽくて怪しいんですが、わたしに関してはどうもそんな気がするので、そのことをお話してみたいと思いますよ!

 

 

きっかけ

そもそも別件で心療内科に通っていたんです。

「人が待っていると思うと、どうしようもなく焦ってパニクる」とか

「怒ってる人がめちゃくちゃ怖くて心身共に硬直する」とか

「*二人以上に同時に話しかけられたり、音がうるさいと精神的にめちゃくちゃ疲弊して、横になって起き上がれない」とか

※二人以上に同時に話しかけられる=我が家では毎日の光景

 

そういうことで,精神的疲労と動悸が激しいので、これをちゃんと治そう!と思って

2015年の11月頃から心療内科に通い始めていたのでした。

 

診断名はついてませんでしたが、漢方薬の加味逍遥散というお薬を処方されることで、

症状は落ち着いていました。

当初、担当医も「これをのんびり飲んで行くことで、緩やかに回復するのを待ちましょう」という話をしていたように記憶しています。

というのも、わたしも「いつまで服薬すればいいのか」「服薬以外に、認知療法だとかカウンセリングなど、他に自分に出来ることはないのか?」と気になって訊ねたからです。

担当医からの答えを受けて、長期間……年単位での漢方薬の服薬を覚悟して、わたしはこの症状を治そうと決意をしたのでした。

 

 

 (つづく)

 

夢日記

脱北船に乗る時に、からだを斬斬ばらばらにしてトランプカードの絵みたいにしてしまったから、着いたらまず胴と足を探さなくちゃいけないし、運が悪いと首と頭が逆さにくっついていることもあるから気をつけなくちゃならない。
けれど、人として最低限の生活が保障されてるから、頑張りたい。

手作りごはん

最近やっと、自分が作った料理を美味しく食べられるようになりました。

 

 

2013年〜2015年くらいまで、手作りのごはんが食べられませんでした。

食べられないというのは、少し大げさですが出来たら食べたくないし、あまり美味しくないし、少し気持ち悪いという感じでした。

 

手作りのごはんには、独特の温かみがありますが

わたしはその温かみを「人の念」や「感情」だと感じていて、

そういうものを食べるのがつらかったんです。

 

味はまずくないんですが、手作り料理の持つ独特のオーラが苦手でした。

 

そういうわけで、一日のうち2食はファミレスやファーストフード、コンビニのごはんを食べていました。

工場で作られたごはんには、人の念が感じません。

画一的な作業で作られたごはんには、人の手が加わっていたとしても特に何の感情も込められていないでしょう。

作っている人の気持ちは恐らく「あ〜早く終わりたい」とかそんな感じで、料理にはあまり想念が入っていないと思うんです。

 

その頃は、その味気ないごはんの軽さが好きでした。

何の感情も感じないごはん。

 

 

恐らくわたしは疲れていたんだと思います。

自分の内面の問題で精一杯だから、他人の気持ちまで受け入れる余裕がなかったんです。

手作りの料理に何か重たみを感じて、工場で作っていそうな料理に軽さを感じるのはそういうことなんだと思います。

人の感情を食べて、飲み込んで、摂取するのが非常にしんどかったのです。

 

2015年の末から、心療内科で処方された漢方薬を飲み始めました。

かみしょーよーさんというものです。

わたくし、特定条件下でパニックというか、焦りとか動悸、そしてストレスが受け止められなくてパンクすることが多くて、収まらなかったのでそれで処方されました。

 

この漢方薬を飲むようになってから、家族が作ったごはんを食べられるようになりました。

食べることを苦痛だと思わず、ガマンする感覚はなくなりました。

 

だけど自分が作ったごはんはまだ、食べる気になれませんでした。

自分の感情がぐっちゃ混ぜになったご飯を、どうにも生理的に受け付けなかったようです。

 

それから1年経って、最近は自分が作ったごはんを食べられるようになりました。

気持ちがだいぶ落ち着いてきたのかもしれません。

或いは少しだけ料理が美味くなったのかもしれないけれど。

 

 

でも、もう自分や家族の作ったごはんを「感情が重たい」などと感じないし

ファーストフードやファミレスのごはんを「感情がなくてらく……」とも思いません。

 

 

こういう状態に戻って思うのは、あの頃の自分は相当疲れていたんだと思います。

病んでもいました。

自分のごはんが食べられるようになったら、昼ご飯はお弁当持参できるので節約になります。

 

元気になって本当によかったなあと思いました。

【SS】A HAPPY NEW YEAR 2017

 夜明けと共に鶏が啼いたらそれが始発の合図で、私を背中に乗せた雄鶏は東に向かって駆けだした。

 昨年は幾ら藻掻いても中々起き上がれなくて、眠っていることが多かったけれど、そんな中やっぱりあの子に支えられてるし救われたって思ってる。
 そうしているうちに、やがてあの子の住む街が見えてくる。
 人々と建物とかわいいもので溢れる街。
 どうか、気が付いて。
 私は暁色のピストルを、元日の天に向けて引き金を引く。
ーーぱん!

と強烈な破裂音が響くと雄鶏は「こけー!」と啼いて、なんと、空を飛んだ。
 銃口からは虹色のけむりが立ち上って「あけましておめでとう」の文字を描いている。
 眼下にはきみの住む街。
 大声で叫んだ。
今年もよろしくね〜っ!!!

 

 

 

【掌編】きみがいない夜

 きみの住む惑星までは星間連絡輸送船で早くても1時間掛かるし、宙陸両用車両でも普通に行けば2時間、星間高速連絡道を使っても1時間と少しは掛かってしまう。
 遙か昔の時代なら、ぼくらはきっと出逢うことすらなかっただろうし、出逢ったところでこうして恋愛関係に発展したり、継続させることなんて難しかったかも知れない。
 ぼくらの距離は果てしなく遠いけれど、移動時間が1時間……つまり「月曜から夜更かし」や「五時に夢中」一本分しかなくて、そのお陰で少なくともぼくはそんなに距離を意識しないで済んでいるんだと思う。そもそもぼくは遠距離恋愛に向かないタイプなのだ。
 きみと過ごす時間はいつもあっという間で、初めて電話をした時なんて7時間が3時間くらいにしか感じなくて、それは一年経った今も変わらない。
 きみとぼくとの間にはどうも時空のひずみが発生しているらしくて、ここを上手く利用すればきみの惑星まで一気にワープ出来るんじゃないかと思うけど、相対性理論っていうのはそう簡単なものでもないらしい。
 時刻は午前三時過ぎ。
 今宵、きみはいない。
 いつもならイヤホンからはきみの寝息が聞こる時間帯なのだけど。
 ぼくは窓を開けて空を見上げる。
 赤い月と一際大きく光る星、そして西の空にあるちいさな光り、きみがいる星、湖の惑星。
 ぼくは庭一面に咲いている、『冬凪の踊り子』の花々に目を遣る。
 幾つかは実になっていて、リングの形や、ウォーターガンの形、完全ズル向けフル勃起状態のペニスの形に、ロースカツ定食の形など、みんなそれぞれ形が違って見ていて飽きない。
 この花は、きみの惑星固有の種類で、ぼくがきみと抱き合うときに服についてしまったり、きみからもらったプレゼントの袋に入っていたり、或いはぼくがきみの星へ行ったときに服や靴の裏にくっつけて持ってきてしまったりしたもので、気が付けばこの一年の間に、ぼくの家の庭は一面この『冬凪の踊り子』に侵されていた。
 これだって、きみと出逢わなければ見ることもなかった景色で、これはきみとぼくとが共に過ごした時間の証であるとも言える。
 ぼくはもう、もともとどんな雑草が生え居ていて、どんな石が転がっていたのか思い出せない。
 けれどぼくはこの奇妙な植物たちの織りなす景色は嫌いじゃない。
 節操がないように見えて、根っこはひとつの所で繋がっているこの植物は、まるできみとぼくとの会話のようだ。
 ぼくは手元のデバイスで庭の写真を撮った。
 顔を上げると12月の鋭い風がぼくの顔面に刺さって、ああそういえば、あの時はお酒を飲みながら外できみに電話して、つい好きって言っちゃったんだ、と思い出す。
 あの時からぼくらは、ほとんどだいたい毎日言葉を交わして、お互いの心に触れてきた。時にくだらなく、時にロマンチックに。そして時には美しくない感情で。まるでこの庭に拡がる景色のように。
 この先もずっと、ぼくはこうしてきみと時間を積み重ねて行きたいし、心を重ねて行きたい。
 
 きみに写真を送った。
 

おわり。

すべての言葉は「大好き」

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  2丁目の森に、面白い花を見に行こうって彼が言うから、デートだと思った私は二つ返事でついて来たけど、花を見に行こうって言った彼は、その言葉に違わず本当に花しか見なくて、新しいチークで頬を彩った私の顔なんて全く見ようとしない。彼が花を見るたびに、私は彼が私を見なかった数を数えてしまう。彼が私を見なかった31回目の瞬間、私は「いつでも見れると思ったら大間違いなんだからっ!」と叫んで、木々の絡み合う方へ駆けだしてしまった。

 我ながらバカだと思う。

 だけど抑えられなかった。

 かわいいって思われたい気持ちや、邪魔したくないって気持ち、誘ってくれたことの嬉しさや、もっと認められたいって気持ち。そのすべてに飲み込まれそうになって、駆け出さないと破裂してばくだんいわみたいになりそうだった。

「おーい、あやこー」

振り返ると、彼が追いかけて来ているのが見えた。やっとこっちを向いてくれた。嬉しくなった私は、枝や葉をかきわけて更に木と木の間を走って行く。落ち葉が足を滑らせてバランスを崩すけど、それでも走ることを止めない。背後から聞こえる大好きな声は、深夜のアルフォートみたいに甘美な罪悪感をもたらした。

 今夜はチョコレート注意報が出ていて、18時以降のチョコレート確率は80%だった。空がチョコレートに覆われてしまう前に、森を出なくては面倒なことになる。こんなくだらないことで時間を取っている場合じゃないと思うけど、でも私にとっては重大なことだ。私は足を踏み込んで、速度を上げようとした。

 その瞬間、左側から大きな剥きクルミが飛んできて私を跳ね飛ばした。

 あー。なんて声も出ない。その代わり、驚いた彼の叫び声が辺りに響いた。視界は90度変わって、縦向きだった木はみんな横向きになって目の前を流れていく。身体は宙を舞って、制御出来ない。

 私は頭から乳白色の沼に飛び込んだ。

 幸い沼は浅く、私が立つと顔が出た。

 どろどろしたものを掻き分けて、フチまでなんとか歩くと、手を掛けて陸へ上がろうとした。けれど、手は滑り、身体中にまとわりついたぬるぬるが、私を沼の中へ止めようとする。加熱して溶かしたクリームチーズを思わせる質感だった。

 私の名前を呼ぶ彼の声が聞こえる。いつもの瑞々しさがない。こんな声は好きじゃない。

「大丈夫か?」

目の前に現れた彼は困惑した顔で、こちらに手を差し伸べた。

私はその手を掴もうと思うけど、その前にやっぱり何か言わないと気が済まない。

「ばか!」「あほ!」「へんたい!」「ロリコン!」「きもい!」「クソメン!」「遅刻魔!」「くいしんぼ!」

思いつく限りの悪口を言ったつもりが、私の声は「好き」にしかならなかった。

「あははは、何それ」

彼は笑っている。

「違うの!」

私はもう一度、思いつく限り罵倒しようとする。そうでもしないと気が済まない。

「メガネ!」「服ヲタ!」「料理上手!」「部屋綺麗!」「かわいい!」「オシャレ!」「たのしい!」「かっこいい!」

罵るつもりがいつの間にか褒め言葉に変わっていた。それでも尚、言葉は「好き」という声にしかならない。

「はいはい、わかったよ。そんなに俺のことが好きか」

彼は私の手を掴むと、沼から引き上げてくれる。

「違う!」反射的にそう言う。でもすぐに気付く。

「……違わない」

「だろー」

地面の上に上がった私は、全身クリームチーズ状のものでどっぷり濡れてぬるぬるだった。

 空を見上げると、西の空の裾がチョコレート色に染まりかけている。

「チョコレート注意報も出ているし、そろそろ帰らないとな」

彼が寂しそうに笑う。

 どんな笑顔でも彼の笑顔は好きだけど、でも私はいつもの脳天気そうな笑顔の方がずっと好きだ。

 そもそもそういう顔を見ているうちに、私は恋に落ちたというのに。

 謝ろうと思った。けれどそれがまた「好き」という言葉に変わってしまいそうな気がした私は、文字に託すことを思いつく。

 落ちていた木の枝を拾うと私は、土の上に文字を書いた

 ーーごめんね。

「何で?」

文字を読んだ彼は笑っている。

 私はまた木の枝を土の上に突き立てた。

 ーーせっかく来たのに、わたしがバカだから。

「ほんとだよ。びっくりしたわ」

彼は笑い声混じりで言う。私のわがままを冗談に変えようとしてくれているみたいで、すごくありがたい。

 私は自分の小ささを思い知って、情けなくなって涙が出てくる。

 ーーだいすきだよーーー!

 枝の先でめいっぱい大きな文字を書いた。

 どうせ泣いてるのなんかすぐバレちゃうんだから、取り繕うだけ無駄だ。私は彼を見て「えへっ」と笑った。

 すると彼は屈託のない笑顔で私に応える。

 その顔を見て私はやっぱりこういう顔が好きだなって思う。

 これからもずっと、こんな顔を見ていたい。どうかわたしのせいで、彼の笑顔が曇ることがないように。

「それにしても、どろどろだな」

彼は私の手を握る。

「帰るか」

うんっ、と私は深く頷いた。

 顔を上げると、愛しの彼の向こうに褐色の空が拡がっているのが見えた。